江東区東砂の皮膚科|まるやま皮膚科クリニック

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円形脱毛症

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、俗に「10円はげ」といわれるように10円玉などのコインのような形に髪の毛が突然抜ける疾患です。
加齢による脱毛とは、また別の脱毛症で、子どもから大人までの全年齢、男性と女性の区別なく発症します。
日本の人口の1%が罹患しているとされており、一度治っても、時を経てまた再発する患者さんも少なくありません。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症がなぜ発症するのかの明確な原因はまだ解明されていませんが、近年では自己免疫反応(本来は体内に侵入した異物を排除するための免疫システムが誤って自己の組織を攻撃すること)が関係しているのではといわれています。
自分の免疫システムが変調を来した結果、本来攻撃してはならないはずの自分自身の毛を作る組織を攻撃してしまうことによって、毛髪が脱落し、その結果、円形脱毛症が発症するということです。

古くから円形脱毛症の発症には、精神的なストレスが関与するとされていますが、ストレスとの明らかな関連性が認められないケースも多いです。
ストレス以外の要因としては、アトピー体質、甲状腺疾患・尋常性白斑・膠原病など脱毛症以外の自己免疫性疾患などと合併しやすいことがわかっています。

円形脱毛症の症状

円形脱毛症には種類があり、一般的な単発型から2つ以上円形脱毛症ができる多発型、後頭部から側頭部にかけて曲がりくねった帯状に脱毛が広がる蛇行型、さらに症状が進行すると頭髪が全部抜けてしまう全頭型、頭髪以外の身体の部位にも脱毛が拡大する汎発型など様々な病型があります。

円形脱毛症の検査と診断

円形脱毛症は問診と視診により診断します。
甲状腺疾患や膠原病などの合併症が疑われる場合には、血液を採取して詳しい検査を実施することもあります。

円形脱毛症の治療

すべての円形脱毛症を100%根治させる治療法はまだ確立されていませんが、科学的に効果の確認されたエビデンスレベルの高い治療方法がいくつも存在しています。

当院では、軽症の患者さんには、最初にステロイド外用薬を使用するとともに、セファランチン・グリチロンといった増毛作用、免疫調整作用をもった内服薬を使用しています。
また、中等症以上の患者さんや治療抵抗性の患者さんには、患部に液体窒素をあてる冷却療法やナローバンドUVBを照射する光線療法、SADBEという接触皮膚炎を誘導する薬剤を外用する局所免疫療法も行っています。

脱毛が急激に進行する場合には、脱毛の進行が進みすぎないうちにステロイド剤の内服を実施します。
進行を静められそうにない場合には、ステロイドパルス療法を行ってくれる専門の医療機関にご紹介もしています。

円形脱毛症は完治までに数ヶ月以上の期間がかかり、治療効果にも大きな個人差がありますので、しっかりした効果が得られ、患者さんに納得していただけるような治療を実施するよう心掛けています。

円形脱毛症の日常生活上の注意

円形脱毛症とストレスとの直接的な関連性は認められていないものの、ストレスによるホルモンや自律神経の変調などとともに自己免疫反応が生じやすくなります。
また、円形脱毛症による頭髪の喪失、整容的な障害が、それ自体ストレスとなって、さらに脱毛症を進行させるような悪循環に陥ってしまう場合もあります。
医師に相談して説明を聞き、具体的な治療を実施することは、ストレスの改善にもつながります。
また、適度な運動をし、十分な睡眠をとり、栄養バランスのとれた食生活を送るなど、生活習慣を整えることも非常に大切です。

円形脱毛症の上手な隠し方

円形脱毛症の悩みの大きさは人それぞれですが、外観の変化=整容面の障害により、患者さん本人が大きな心の傷を負い、毎日強いストレスにさらされる場合がしばしばあります。
広範囲の脱毛で、治癒までに数ヶ月以上の長い期間が必要となる場合には、医療用のウィッグ(かつら)がありますので、検討されてみてもいいかもしれません。
また普段通っている美容師・理容師さんが、後頭部など自分では確認しにくい部分の円形脱毛症を指摘してくれるケースもあります。
美容師・理容師の方々は、脱毛症で悩む患者さんに適したヘアメイクや脱毛部の隠し方に詳しいことも多いので、一度相談してみるのも良いと思います。
もちろん当院にお越しくださった方へは、皮膚科専門医が治療から生活に至るまで適切なアドバイスをおこないますので、まだ受診せず、ひとりで円形脱毛症に悩んでいる方は是非ともご相談ください。